ひらいた扉(002)大学時代の話1

これから自己愛性パーソナリティ障害の話を書くにあたり、ワシの大学時代の話から始めようと思う。ワシが新潟大学に入学したのは1992年の事である。もう随分昔の事になったが、今でもあの頃の想い出は鮮明で懐かしい記憶としてフルカラーで想起される。ただ一点を除けば。ワシの美しい大学時代の記憶に黒一点の汚れをつけているのが、弓道部で同期であった桜井一哉という男である。

桜井一哉とワシは同級生だが、浪人している分、年齢はワシの方がひとつ上になる。そして信じられないだろうが、大学四年間同じ部活にいながら、ほとんど全く会話を交わした事がない。奴から一方的に敵意を向けられ、今でもその理由は不明である。そもそも大学入学し弓道部に入部した直後からなので、何か特別な理由が生じる程の関係ですらない。パーソナリティ障害はターゲットを作って自分の存在を誇示するという習性があるので、おそらく理由などなく、単に奴がターゲットを探していたところ、たまたま選ばれたのがワシだったのだろう。そして入部直後から、桜井一哉による嫌がらせが始まり、それが四年間続くことになる。

同じ部活なので、桜井一哉とは嫌でも毎日のように弓道場で顔を合わせなければならない。そしてワシが他の人たちと話していると、奴の表情がとたんに雲ってくる。そしてワシがしゃべる度に、必ず「舌打ち」をするのである。ワシに聞こえるように、毎回、大きく、必ず。 百歩譲って、好き嫌いは心の問題だから構わない。問題なのは奴がこのように「不機嫌アピール」をする点である。なにせワシがしゃべる度に大きくわざとらしい舌打ちをするので、ははん、またかと思う。むしろ舌打ちが聞こえなかったら「おい、忘れてるぞ!」と催促したくなる。このような攻撃が精神的な嫌がらせである。

桜井一哉の嫌がらせは舌打ちだけにとどまらない。例えばワシが部活の全体ミーティングで「恣意的に適用させるのは・・・」と発言したことに対し、舌打ちをした後に「恣意的。フン。」と周囲に聞こえるように、ワシの発言に対し独り言を装ってブツブツ言う。奴の隣にいた奴が「桜井がこんなこと言ってたよ」とわざわざワシに教えてくる程であるから、まさに周囲にわかるように不機嫌アピールである。ワシも気分が悪いが、周囲も空気が重くなって嫌だったろうなと思う。このような「舌打ち」と「ブツブツ独り言」は、まさにパーソナリティ障害者の典型的な攻撃である。

【選ぶな危険!恐怖・モラハラ男の特徴】
「特徴的な行動(攻撃)が「舌打ち」「ため息」です。自分の不機嫌や不快な気持ちを、周りにも分かるようにアピール&攻撃するのです。ブツブツ独り言を言いながら舌打ちやため息を言う人は、早めに離れる準備をした方が良いかもしれません」

このように、具体的な言葉はなくても態度で不機嫌をアピール。この不機嫌アピールで場の空気は重くなり、相手にも嫌な思いをさせるし(もっともそれが目的だろうが)、何一つ良いことはない。何のためにこのような嫌がらせをするのかわからないが、目標に向かってみんなで頑張っている部活という場において、黙って心に秘めているわけにはいかなかったものかと思う。

このように人間性に問題がある奴なので当然ワシも好きにはなれなかった。最初は桜井一哉片思いだったのだが、すぐに両想いになった。ただしワシがコイツと違うのは、ワシはその感情を態度で表したり、周囲にアピールしたりしていないということだ。もちろん奴の嫌がらせに対し仕返しなどしていない。ずっと無視していただけである。奴の存在以外は全く不満のない充実した学生生活で、奴の嫌がらせの汚点を補って余りあるくらい素晴らしい時代であった。まさに黒一点の汚れが、この桜井一哉という男なのである。

最近になって、当時の弓道部の同期の友人と桜井一哉の話題になった。この友人、石川君は、ワシが奴に何もしていないこと、理由が不明なこと、奴からの一方通行な感情であるという事、つまり原因は桜井一哉にあるという認識で一致している。石川君が当時を回想して言う。 「オマエは何もしてないのにね。もう、まわりはどうしていいかわからなかったよ」。

おそらく最初は些細なきっかけがあったのかもしれない。ただその時に振り上げた拳を降ろすタイミングを失ったまま時間が経過し、一方でワシは何事もなかったかのように普通に部活をエンジョイしている。奴の立場としては、今さら謝ることも出来ず、そのままの立ち位置を継続するしかなかったのだろう。その間違った立ち位置を正当化したいという意識が、嫌がらせという歪んだ形で露出したのではないかという話をしていた。 もちろんそういう側面はあるだろう。しかしワシは、やはりこれは桜井一哉が自己愛性パーソナリティ障害である事が最大の理由だと思う。そうでないと、四年間も嫌がらせを継続する異常性が説明できない。

そして石川君と話していて、とても驚いた事がある。彼もまた大学時代を通して一緒に弓道に勤しみ、毎日のように顔を合わせ、桜井一哉とワシの関係も同じ部活でずっと見てきている。そんな近い距離にいたはずの石川君が言う。 「オマエがしゃべる度に桜井が舌打ちしてたなんて、全く気付かなかった。アイツそんなことしてたんだ。もちろん桜井の露骨な敵対姿勢は見えていたが、そんな細かい攻撃までしていたのかと驚いた」

いやいや、驚いたのはワシの方である。ワシにとって桜井一哉といえば舌打ちをしている印象しかなく、あれだけあからさまに常に舌打ちをしていたのに、ごく身近にいた石川君が全く気付いていなかったとは。いや本当にびっくりした。当然みんなも知っているものとばかり思っていた。

しかし、これもまた自己愛性パーソナリティ障害の被害の特徴であると、今なら理解できる。親がひとりの子供をターゲットに虐待していた事を、その子の兄弟や他の家族が全く気付いていなかったという話がある。だからこそ周囲に相談しても「被害妄想じゃないのか」「気のせいだよ」「そんなことするはずないじゃないか」という反応が返ってくる。桜井一哉の話はまだ続く。

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