自己愛性人格障害(355) 他人の不幸を願う その1

今回は誤解のないように読んでもらいたい。
先日テレビで見たスキージャンプの葛西紀明選手の話である。
スキージャンプの団体戦は三人一組となって合計の距離を競う。

葛西選手は日本代表のひとりとして1994年リレハンメル・オリンピック団体戦に出場した。葛西選手を含む二人が好記録を出し、最後にジャンプするのが原田雅彦選手であった。先に飛んだ二人の記録から優勝は超安全圏、日本の金メダルは確実かと思われていた。最終の原田選手は普通に飛べば良いだけであった。ところが! 原田選手は「どんなに失敗してもアレはないだろ」というジャンプをしてしまう。日本は逆転で金メダルを逃してしまったのである。葛西選手は「先輩だったけど、蹴り上げてやろうかと思った」と回想している。

次のオリンピックは1998年長野である。母国開催ということで、葛西選手は気持ちを切り替え、前回の屈辱を晴らすべく臨んだ。ところが、練習の合間に仲間内でサッカーをして遊んでいたところ、不慮の事故で、原田選手の蹴った足が葛西選手に当たり左足首を捻挫してしまう。それが影響して、葛西選手は団体戦のメンバーから外れてしまった。金メダル確実だったリレハンメルでは原田選手がありえない失敗。長野オリンピックは故意ではないにせよ原田選手のせいで捻挫で代表落ち。

そして迎えた長野オリンピック。スキージャンプ団体戦で、最初の二人があまり記録を出せず、逆転の金メダルは最後の原田選手のジャンプにかかっていた。そのスキージャンプ日本代表団体戦を、葛西選手は複雑な心境で、会場近くの宿舎のテレビで観戦していたという。その時の心境を葛西選手は正直に「俺がいないのにメダルをとるな」と思っていたそうである。最初テレビで、しかし途中でたまらず会場まで見に行った。葛西選手が会場に着いた時、まさに原田選手が金メダルをかけて飛ぼうという瞬間であった。日本中が原田選手に金メダルの願いを込めて声援をおくっている。会場の観客も固唾を飲んで見守っている。そんな雰囲気の中、原田選手が飛んだまさにその瞬間、観客の中にいた葛西選手は叫んだ。

「(途中で)落ちろ~~~~~~」

いや、『テレビで見ていた時は「俺がいないのにメダルをとるな」と思っていたが、実際に目の当たりにすると応援してしまった』というのであれば良い話でチャンチャンなんだが、葛西選手は原田選手がジャンプしてから着地まで終始「落ちろ!」と叫んでいたそうである。もちろん、テレビで語れるくらいだから、今となっては笑い話なのだろう。結果は原田選手が途中で失速して落ちるどころか、大ジャンプに成功し、日本が金メダルを取ったのである。日本中が金メダルに沸いていた裏で、葛西選手はこのような葛藤を抱えていたという話。

*****

プロ野球巨人の江川と西本は、「エースはひとり」だというプライドがあり、お互いの登板の時は「負けろ、打たれろ」と思っていたそうである。プロなら当然であろう。ポジションが限られている野球では、誰かが怪我をしたらチャンスだと思うくらいでないと生きていけない厳しい世界だと思う。もちろんオリンピックはプロではないが、ワシにも気持ちはよくわかる。何故なら、ワシにも同じ経験があるからだ。

ワシは大学時代に弓道をしていた。軟派サークルではなく、がっちり体育会系の部活である。対外試合は結構あるのだが、最大の目標としていたのが秋季北信越大会での優勝であった。まぁ一番大きな大会だと思ってもらえれば良い。そして特に3年生にとって最後の大会でありながら、2年生で選手に選ばれたのがワシであった。ワシは授業も出ないで弓道場に籠ってひたすら強化練習に臨んでいた。そして練習では結果も出した。ところがいざ試合になるとワシは控えであった。ワシは主将に直訴した「僕に引かせてください」。しかし主将はワシではなく、選手交代でも他の3年生を使う。強化練習でワシより結果が出ていない先輩が意気揚々と試合に出て、それで負けている。もう悔しくて悔しくて、「優勝しなきゃ意味ないだろ。先輩たちの最後の思い出作りで試合やってんじゃねーぞ」と心の中で思っていた。そして試合を見ながら 。。。ごめんなさい。。。「(的から)外せ」と思っていた。

今振り返れば、このような精神状態で弓を引く事なんかできない。それをお見通しで主将はワシを試合に出さなかったのだろう。主将の判断は大正解だったと思う。今でもこの時の事を想い出すと、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。主将の西脇先輩、申し訳ありませんでした。本当に申し訳ありませんでした。

スポーツの世界では、プロであれアマチュアであれ、大学の部活であれ、キレイごとだけでは済まされない。このような葛藤を乗り越えるのも試練であろう。葛西選手の気持ちこそ人間的で正直なものであると思う。むしろ良い話にすると偽善臭がして嫌だなと思う。葛西選手も、江川と西本も、そしてワシも、気持ちは同じである。偽善は言わない。今だから話せるが、そう思っていた。

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6 thoughts on “自己愛性人格障害(355) 他人の不幸を願う その1

  1. バンブー より:

    初めまして。
    最近、自己愛性人格障害者の被害にあいました。
    最初は、仕事で、新人なので、いろいろ教えたりして仲良くしてたのですが、ある日、とても変な思考回路(一般常識的でない)、行動をするし、子供っぽい発想なので、注意したり、否定したりしていましたが、それがあだとなったようです。すごい目をして、僕を睨んだりして、殺気を感じてました。
    刺されはしませんでしたが、最後に、僕のクルマに当て逃げして、辞めていきました。証拠がないので、なんとも言えませんが、奴が犯人だと確信してます。
    修理費11万かかりました。どうすることも出来ず。
    でも刺されなかったから良しとします。
    しかし、渦中にいたら、そんな障害があるとはわかりませんでしたが、今、このブログを拝見してみてそうかと思います。
    触らぬ神に祟りなしなのですが、触ってしまいました。勉強になりました。

  2. エア より:

    スポーツの世界に限らず、競争率の激しい政界では、どれもこんな感じだと思います。

  3. でらせるな より:

    おはようございます
    ゴールデンウィーク中、唯一今日だけ出勤なので
    キ●ガイ女と過ごさなきゃならない
    ジャマな1日です
    ところで自己愛どもがウソついてる自覚があるのか否か
    うちのキ●ガイは、無いのかもしれません
    とにかく被害妄想ハンパない
    私を含めた数人の前で、私にいじめられた、だの
    酷いこと言われた、だのと
    平気でのたまう
    こいつ、一体どういう神経しているんだ?と
    最初思ってましたが
    私に限らず、、周り中の人間を
    「腹黒い悪者、スキあらば自分を陥れようとしている」
    的なことを、いろんな人に吹聴しています
    例えば、褒められたとします
    社交辞令かなと思っても、まぁ悪い気はしない
    嬉しいな、恥ずかしい、でもありがとう
    という反応をしがちだが
    うちのキ●ガイは
    甘いこと言って油断させといて
    実は腹のなかでは私を陥れようと思っている
    ぜったいそうに違いない
    とか言い出す始末です
    いやぁ。奥が深いわ。
    憐れなヤツですわ

  4. でらせるな より:

    それは僕ではなく君の問題だろう?
    僕を肯定するにせよ否定するにせよ
    評価するのは君の自由だ
    しかし僕自身に何ら変わるところはない
    僕は僕だ
    たしかこんなセリフだった
    「トーマの心臓」のユリスモールの言葉
    キ●ガイの言葉を鵜呑みにするヤツなど
    ほっておけ
    君は君だ

  5. ほんとに自己愛面の論理って同じ より:

    >甘いこと言って油断させといて
    >実は腹のなかでは私を陥れようと思っている
    >ぜったいそうに違いない
    自分がそうだからアイツもそうに違いないという
    自己愛の自己紹介ですね
    事故愛の事故紹介?かな

  6. でらせるな より:

    おはようございます
    今思えば、20年ほど前にお付き合いしていた人は
    境界性人格障害だったのかも。
    当時は、とにかく、兎に角、振り回されて
    疲れる人だと思っていました。
    やたらに、死ぬ死ぬ言うし。
    ことさらに嫉妬心を煽るような態度をとるし。
    別れる!を連発するし。
    死ぬ、別れる、と言えば
    物事が自分に有利に動くと計算してたんだろうな
    実際、慰めたり、こっちが心痛めたりと
    付き合ってる間は、精神的にツラいばかりでした
    ある時、別れをきりだされたので
    それを受け入れました
    自分にとっては、別れるといったら
    ヨリを戻すという選択肢はなく
    別れた以上は、もうあなたが死のうがどうしようが
    カンケーないから。と言いました
    すると、ビックリされました
    駆け引きってものを知らないの?と
    言われたので
    自分は、愛する人を試すような駆け引きはしない
    と答えて、きっぱり別れました
    同じ職場だったので
    私が転職し、いっさい縁を切ったんですが
    2人が付き合ってたのを知っている
    同僚の人から連絡があって
    それは、私を心配してくれる連絡だったんですが
    元恋人が、でらせるなは私にフラれて
    頭が変になって、度々私の周りに出没して
    気持ち悪い
    駐車場に停めてある私のクルマの中を
    でらせるながジーっと覗いてた
    気持ち悪くて怖くて、声掛けられなかった
    と、吹聴してるから大丈夫かと思って。という連絡でした
    もちろん、根も葉もない妄想ですけど
    ありえんよ。と答えました
    別れて何年もたって、すっかり忘れたころ
    2回ほど、ウチのまえに出没しました
    もう、今はさすがにそれはなく
    完全に過去のヒトですけど。

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